腰痛と脳?
前編ではレントゲンやMRIでは原因の判明しない腰痛が多いことや、ヘルニアが必ずしも腰痛の原因とは言えないことや、手術の有効性は?などについて書いてきました。今回は最初に答えを言っておきます
腰が痛いのは腰が悪いのではなく脳のせいである可能性があります。
今まで常識、というのか、それが普通だと考えられていたヘルニア=腰痛や、手術をしたら治る、腰に負荷を掛けると良くないといった事が徐々に違うかも、と分かってきた訳ですが。
最近の研究ではもっと革新的な事が分かってきています。
慢性的な痛みに悩む方、これは腰痛に限らず肩こりや膝の痛み、背中の痛みなども含めて。
長く痛みを感じていて、その方の中には色々な検査を受けている方も少なくないと思います。
何度も出てきているレントゲンやMRI、さらにCTスキャン、骨密度を測ったり、血液を採ったりして炎症反応も見ているかもしれません。
しかしそこまでしても病院では
「異常はありませんね」
と言われた方はいると思います。
実際に多くの腰痛の研究においても、画像検査や血液検査などのあらゆる検査を行っても異常はなく、原因が分からない腰痛は多いという結果があります。
研究によって数字にバラツキはありますが、腰痛の85%以上がそういった原因不明の腰痛だと言われています。
正確には
画像検査で異常はなく(腰骨や椎間板には異常が見られない)
血液検査でも炎症反応がない(体が傷付いたり使い過ぎたりすると炎症が起きます、その物質が血液に混じるので体が痛い場合でどこかに異常があればこの数値が上がるはず、なのです)
病院の検査では異常が見つけられない腰痛、という事です。
しかし、その中で全く腰痛と関わりがあるように思えなかった場所に異常がありました。
慢性的な痛みに悩む方に多く共通していたのが
「脳」の「ある部分の萎縮」です。
これが慢性的な痛みを解消するためにとても、とても大事ではないかと考えられています。
大事な事なので2回言いました。
では、その萎縮している部分とは?
【感情と痛み】
ここからの内容は腰以外が慢性的に痛い方にも読んでいただきたい内容です。慢性的な痛みに悩む方の中には、脳のある部分に萎縮があるという話でした。
研究によって多くの方に萎縮が見られた、という事で全ての方に当てはまる訳ではありませんが。
その萎縮している部位は「DFPLC」という所、日本語で書くと「背外側前頭前野」
前頭葉という言葉は聞いた事がある方もいるでしょうか?
判断や興味を司る場所として、経営者はここが優れている、という情報が出ていた事があります。
その中の1つなので、仕事としては判断や興味で、ここが萎縮、機能低下するとやる気が出なくなると言われています。
そして、もう1つのお仕事が
「扁桃体」のバランスを調整する。
「扁桃体」は原始的な脳の場所で、生き物が文明を手にする前から発達した場所と言われています。
ここの仕事は不安や悲しみ、恐怖といった情動、感情を司る場所です。
物事に対して感情を判断するので、これは怖いもの、と判断する事で身の危険から守るために発達した場所だと言われています。
この場所は命を守るために怖さを司る場所ではあるのですが「痛み」にも強く関連のある場所でもあります。
この場所が興奮するという事は不安や恐怖などのマイナスな感情、いわばストレスを感じている状態と言えます。
「痛み」に対しても扁桃体はとても敏感で、実際に痛みを感じるだけでなく。
痛みを想像する
誰かの痛そうな姿
痛みを連想する映像
痛みに関連した言葉
にも反応して興奮してしまいます。
この状況が繰り返されると興奮しっぱなしの扁桃体をなんとか抑えようと「DFPLC」が頑張ってくれるのですが、やがて疲れて萎縮してくるのではと考えられています。
扁桃体がコントロール出来ないとマイナスの感情を感じやすくなるだけでなく、痛みに反応しやすくなったり、マイナスの感情から痛みを想像しやすくなったりします。
長く痛みを感じているという事はそれだけ感情を司る扁桃体や、それをコントロールしているDFPLC、さらに痛みを抑制する為に働いている他の脳の領域を使い過ぎて疲れさせてしまっていると考えられます。
DFPLCはもともとうつ病の研究で注目されていました。
感情の動きを研究していたら痛み、特に慢性的な痛みに関する事が分かってきたということですね。
ちなみにうつ病の方はそうでない方に比べて痛みを感じやすい、慢性的な痛みを抱えている方が多いという研究もあります。
偏桃体と側坐核
DFPLCが萎縮して、扁桃体が興奮してしまうと痛みを感じやすいのではないかという研究成果。マイナスの感情が繰り返されると扁桃体の興奮が起きると言いましたが、DFPLCの他にもここの状態に関わっている場所があります。
それが「側坐核」です。
役割としては快感を司る場所で、やる気や達成感に関わるホルモンを生み出しています。
このホルモンは痛みを和らげるホルモンの分泌にも関わっていると言われていて、側坐核が正常に働いていると、脳から「痛い」という信号が出た時に体へ伝えられるのを抑制してくれる回路にも関わっています。
側坐核が正常に働いていると痛みを和らげる作用も働き、扁桃体も過剰に興奮して痛みを感じやすくなる事はないはず、と考えられています。
扁桃体が「怖い」「痛い」「不安」などの感情に関わっていて。
側坐核は「快感」「達成感」「やる気」に関わっているといった感じです。
この場所が正常に働いていないと、それほど痛いと感じないはずの刺激であっても「痛い」と感じてしまいます。
例えば、同じ職場で、同じ体勢で仕事を朝から夜までやっている、人数の多い会社ではそういった状況があると思います。
ある人は週に1回整体に行く、ある人は行ける日はいつもマッサージ屋さんに行く。
でもある人は、何年も、どころか今までに整体もマッサージも行ったことが無い。
体に掛かっている負担はほとんど変わらないはずなのに。
もしこの3人の違いが脳だとしたら?
いくら体を治療しても通わなくて良くなる日はいつまでも来ないかも。
脳と痛みの関係に着目した会話や施術の進め方をしているところの方が、最終的に通う頻度をゼロに近づけられる可能性が高いのでは?
そう考えて今は色々な分野も調べつつ、脳の勉強を中心に行なっています。
脳の状態によって痛みの感じ方や痛みを和らげる回路が弱くなってしまう。
これまでとは違う新しいことが分かってきて、世界の腰痛治療研究者たちもやり方を見直そうと考えるようになり、各国で腰痛のガイドラインが作られるようになりました。
次回はそのガイドラインの内容などを書いていきたいと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
【当院の場所】
手技整体院 咲蛙(しょうわ)
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