腰痛治療にはマニュアルがある 腰痛の誤解中編2

船橋 腰痛 整体

【腰痛のガイドライン】

前回は腰痛などの慢性痛には脳と関連性があることをお伝えしました。

これまでに書いてきた様々な腰痛に関する研究、こういったものを元に色々な国でガイドライン、治療マニュアルのようなものが作成されました。

その一部を紹介します。

ガイドラインには腰痛に対して、レントゲンなどの画像診断は最初は行わない方が良いという見解のものがほとんどです。

そして、まず最初に行う事が推奨されるのは「重大な病気の可能性」を探る事です。

骨折、背骨の感染症、悪性腫瘍(ガン)、大動脈解離、馬尾症候群などといった、明らかに背骨に異常がある、怪我だけではない原因による痛みも考えられる状況を確認します。

そこで異常である事が分かれば、レントゲンやMRIといった画像診断を速やかに行うように、場合によってはすぐに手術が必要な時もあります。

そこで、レッドフラッグとも呼ばれる質問事項があります。

その質問がこちら

・発症年齢が20歳未満か55歳超え

・最近の激しい外傷(交通事故などの怪我)

・寝ていると痛い、痛みが落ち着く姿勢が無い、動作に関係なく痛い、といった痛みが進行性にずっと続く

・胸のあたりの痛み

・ガンの病歴

・ステロイドを長期間使用していないか

・免疫抑制剤の使用、HIVの有無

・原因不明の体重減少

・腰を前屈する事に強い制限があり、何日も続いている

・発熱

・全体的な体調不良

・膀胱直腸障害とサドル麻痺
(力が入り辛くなって便秘になる、うまく排尿出来ないなどの麻痺症状と自転車などのサドルに当たる部分に感覚の麻痺がある)

今回は2004年のヨーロッパガイドラインから引用しています。

こういったものに当てはまる場合は重大な病変の可能性がある、と判断されて画像検査や血液検査を行うとしています。

現在は10代の学生も60を過ぎた方でもギックリ腰になりますし、慢性的な腰痛があるので、年齢による区分は必要かは考えますが。

当てはまらない場合は今すぐ手術が必要とか、命に関わる病気によって腰痛が起きている可能性はほぼないと判断しています。

ガイドラインでは上記の項目に当てはまらない患者さんに対して、すぐには画像検査を行わず1~3か月の間、手術以外の方法で治療をしながら経過観察する、と書いてあります。

国によって期間に違いがありますが、その期間観察をしても症状に改善が見られない、もしくは悪化している場合に画像検査を行うか、することを再度検討、となっています。

腰痛に対してすぐには画像検査をしないという事です。

ただ、検査では分からない筋肉の緊張や筋肉を覆っている筋膜の異常、背骨の関節が小さく変形し始めていたり、炎症がある事も考えられます。

しかし、そういったものはストレッチや運動などのリハビリ、整体も有効ですし、そのような手術に頼らない方法で改善出来ることが分かっているので、落ち着いて対処していただければと思います。

ガイドラインの内容は、その研究成果によってより良いものに変化していきます、今後もお伝えしたい変更点や最新版の情報をこちらで報告していく予定です。

とりあえず今日はここまでです。

また明日からもよろしくお願い致します。

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