ターンアウトと腰の痛み やり辛いのは柔軟性の問題?

バレエ 整体 船橋

骨盤のあたりが痛くなる

「ターンアウトがやり辛い」
「というより正しい感覚が分からない」
「腰や骨盤回りが痛む」
そんな方に参考になる記事です。

バレエをしている学生さん
来院のされたのは、練習をしていると「骨盤の右あたりが痛くなる」
それが時々で調子が違い、痛くなる時と痛くならないときがあって原因が分からない、というもの。

原因を調べるために痛くなる時の状況を思い出してもらうと
痛くなる時はターンアウト引き上げ動作がやり辛い。

今回はターンアウトについて着目した記事になりますので、引き上げ動作に関しては別の記事をご覧ください。

引き上げ動作について
(記事へ移動します)

バレエをされていない方に説明しますと、ターンアウトとは
脚を外に開いている状態の事で、このターンアウトを維持したままでいることでバレエの様々な動きがしやすくなるものです。

この時、膝から下だけがねじれてつま先は外を向いているけど、膝は前を向いている。
これは間違ったターンアウトとされています。

そもそも膝下がそんなにねじれるのか?
と思う方もいるかもしれませんが、小さいころから柔軟体操をしていたり、生まれつき関節を保護する靭帯が緩い人はそのくらい出来てしまいます。

当事者にとっては当たり前で、自覚がないので無意識に膝下だけのターンアウトをしてしまっていることがあります。

この「脚を外に開いている状態」は解剖学や運動学では股関節の「外旋」という動作になります。
太ももの骨「大腿骨」が外方向に旋回することです。

正しいターンアウトは股関節が外旋している状態で、その習得はバレエの基本であると言えます。

(画像は施術後です、これから出てくるある筋肉の不調で最初は安定性が悪く、画像よりも少し軸足側に重心が寄っていました)

柔軟性はむしろ右側の方が良かった

ターンアウトのやり辛さと骨盤付近の痛みにはどんな関係があるのか?をメインテーマに書いていますが。

解明するカギは「なぜターンアウトがやり辛いのか?」
ここで考えてしまいがちなのが股関節や内転筋の柔軟性不足です。

外旋できる範囲に制限があるから開きづらい、今回の学生さんも少なからずそう考えているところがあったようです。

しかし、寝っ転がってもらい、リラックスした状態で外旋を比較すると「痛くならない左側」より「痛くなる右側」の方が可動域が広く、より脚が外に開きました。

では、どこに問題があったのでしょう。

それは
深層外旋六筋です。

ターンアウト 整体 船橋
開く柔軟性に問題があったのではなく、外旋させる筋肉が正常に働けていなかった。
これが、今回ターンアウトを邪魔していた要因です。

外旋六筋は画像にあるように骨盤から、太ももの骨、大腿骨に向かって付いている六つの筋肉です。

この筋肉は真横に走っていますから、収縮して股関節を外旋するという仕事をしています。

この筋肉が正常に収縮できていなかった事でターンアウトがやり辛かったのですね。

ある筋肉「中殿筋」

ここまでに分かったことは
●柔軟性には問題はない。
●外旋六筋の不調によりターンアウトがやり辛い。

ようやく本題の骨盤のあたりの痛みについてです。

今回、痛みを訴えていた場所は骨盤の外側で、お尻の上部分でした。
ここには中殿筋という筋肉があります。
ターンアウト 整体 バレエ
画像の青く色が付いている筋肉、これが中殿筋です。

比較のため、左側の大殿筋にも色付けしてあります。
(見やすいように右側の大殿筋は消しています)

そして、中殿筋の下に見えている横に走っている筋肉、これがさっき書いた外旋六筋の一部です。

こうしてみると、とても近いところにあるのが分かりますね。

中殿筋はお尻の筋肉ですが、位置としては体の横に寄ったところに付いているため、主に脚を外に振り上げる「外転」という仕事をしています。

ただ、大殿筋と共に体の後ろから横に向けて斜めに走っています。
画像で見ると想像しやすいかと思います。

という事は、外旋六筋の補助として股関節を外旋する仕事もしています。

つまり、今回は外旋六筋の不調によってターンアウト(外旋)が正常に行えず。
本来、補助的に外旋を行っている中殿筋に過剰な負荷が掛かってしまい、骨盤のあたりの痛みを感じていた、という事になります。

中殿筋に症状が出ていたのはターンアウト(外旋)しながら脚を後方に上げるアラベスクなどの動作をするためだと思われます。

通常のスポーツ動作では、脚を後方に上げるとき(伸展)に外旋を行うことは少なく、大殿筋主導の後方伸展になるので大殿筋、もしくはその動きを補助する腰部の筋肉が使われて腰痛になる事が多いです。
(空手やキックボクシングの後ろ回し蹴りなどでは外旋が入りますね)

中殿筋は走る時に膝が真っ直ぐに安定するように、内転筋と協力して働いています。
マラソンをする患者さんの治療を例に記事を書きますので、気になる方はそちらも読んでみてください。

マラソンランナーのパフォーマンスアップとお尻の重要性。
(記事が書かれたらここから移動できるように更新します。)

●ある動作が上手くできない
●ケガをしていないけど痛い
●なぜか力が入り辛い
●特定の姿勢や動作が安定しない

こういったものには、症状を感じている場所とは違うところに問題が発生しているケースがとても多いです。

心当たりのある方は一度相談されることをお勧めします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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